さくひんのせかいかん


  自分があの会社の企画の先輩たちに鍛えられたのは 「世界観をもて!」 という事だった、

あれが全ての教えで 今自分がある 土台となってる。

 最初は ただのシューティングゲーム。敵を倒し 弾をよけ って動作以外なく 

強制スクロールで立ち止まることもないので駆け引きもない 

そんなエスカレーターな光景に 世界観だあ?と 最初は思ったが 

強制スクロールという事実を 立ち止まることのできない状態 

と置き換えてかんがえたなら そののりに身を 投じるには 

確実に目的は必要だなと 理解できた。 


それでも諸先輩方の作品の設定を参考に 読み解くが どうにもオタク臭い

ふわっとしてる設定が多く なんで こんなんでそこまで物語性が必要だ!って 

俺に語ってるん?!ぼけええ!と 若い自分は憤りを感じながらも 

ストーリーとは?をほんといろいろ考えた。 


 企画会議承認会議の大半は そのストーリー語り。 

そのストーリーに興味を持てるか? どうかが会議の鍵だった。
なにかとってもシュール。。。子供とかに聞かせる 作り話みたいなものを

数人の大人の前でする。そして よどんだ目で なんで?どうして?と尋ねられ
優しく答え返してあげるのも精神的な負荷のかかる妙な状況

けして数値で何ドット進んだ時点でプレイヤーはこの点にいたらどうだ こうだとおもうから 

ここはあえて こうする。 とかいう数値的な説明は望まれてなかった。 

方眼用紙に細かく敵軌跡の放物線だなんだと描きこんだ分厚い仕様書を持って行ったのに

会議でやりだまにあがるのは 最初の1枚の 物語設定ページのみ。

それと 字が汚いっ読めねえよ て・・・


今思えば なるほどなあ。。と分かります

ワープロも買った。。。


 で あれこれ普通のシューティングゲームだと 

自機を操り敵の本拠地を叩け!とか そんなんばかりじゃないですか 

なので ダーウィンの設定は 

 惑星EVOLの生物兵器として作られた ピスター(最小形態)が研究所から逃げ出し 

自分を作ったEVOLを食いそれをエネルギーに自らを変化させていく。

復讐とか目的じゃなく ただの本能のみで突き進む怪物

 ゲームスタート時はもうEVOLを一人食って 研究所から逃げ出した状態 

惑星上で暴れ 捕獲しようと襲ってくるEVOLの攻撃
殺さずやりで突いて捕獲しようとしたり、単純な動物には あえて細やかな動きで

惑わすように狙ったりするもの。

でも最強の生物兵器を作る目的で作られたってことは
多くの研究済みの兵器はそんなに強力ではないので しょぼい敵ばかりで当たり前

EVOLには取り押さえる手段は手詰まりだけど 数でかかっていく 

で自機は過剰飽食と飢餓感で 体がぐちゃぐちゃに変わり凶暴化するが 

逃げようとも惑星からでれず結果ループ 逃げる先も求めるべき結果ないが 

それを理解する精神ももちあわせてない、  ただEVOLを食い尽くすだけの存在、

不毛さと不条理系の宇宙の怪獣系という感じだ。  


「自機の名前は?」

「実験動物に名前をつけるやつはよっぽどの鬼畜、ただの番号でいいのでは?」

という事で 4078と名付けた。 その数字の理由、変形分岐ポイントを表してる
という説明は企画会議では漏らさなかった。ただ適当につけたナンバーにみせかけ

突然変異、別分岐進化の最終形態ブラックディームの存在も 会社には内緒にしてGO

そして最初の社内お披露目で すずしいかおしてデモンストレーションをして
ブラックディームを見せたときの 先輩たちの過去一いい反応が見れた。

さんざん 新人君のこれといって目新しいとこもないゲーム企画と思われてたので
驚からせれないと おもしろいという素直な反応は見れないとおもったのでやった


 企画会議は納得されたわけではなく まあしょうがないし 入社テストだから 

それでいいよ やりな。 って感じでのスタートだった それでも開始から半年。。。

そんなお話設定のところでダメ出しされ続き。おそらく組まされた新人プログラマーの
勉強時間稼ぎもあって こちらの進行の脚を止めてたのかな?とおもうとこも 


 でも物つくりや表現とは?と基礎はじりじりそのとき学び考える必要性を知った。 

だから 音楽制作も

 いっけんただのロックとかじゃないんだよ、その歌ごとにも世界観や物語がある 

 そしてそれを束ねたアルバムにおいても そのアルバムはなにをあらわしてるか?となるし 

 しいてはバンドやユニットそのものも 全体をとおして具現化させたい物語の一部だったりする 


 よくバンドアルバムで一つの世界感を束ねると わざわざコンセプトアルバムとか言ってるが 

そうじゃないのは コンセプトもなにもない ばらばらとして思いつき集ってことだ 

 いろいろ露呈してるというものだ。 なによりも物語やテーマは ぶれずにまっすぐエンディングまで

走るための指針でもあり それがあるほど 受け取り側は ぶれずにのめりこめる 

ふにおちるポイントを作りやすい 受け取り側にたいして親切な娯楽作品となる。


 要はひとを楽しませるということは ひとをふにおちさせ 物語という栄養を 心にふりかけるという

作業であるわけだから 物語性は大事。 

それもできるかぎり借り物のイメージのつぎはぎじゃなく 自分でみつけたテーマや個性でね、 

借り物ならパロディ作品として徹底して遊ぶべきで 

 その場合 オリジナルテーマを描くより鮮やかでハードな作業で組み上げないと 

 人は納得させれない。 

借り物イメージのなんちゃってパロディ系がぬるいのは そこを踏み込み切れてないからだ。 

ふわっとかっこいいや かわいいだけのうわべだけ イメージとしてとりこみ 

3枚で1000円セールのDVDみたいな使い古された名作の 焼き直しみたいな

ありきたり世界観じゃね つまらんよ。。 



 でもね。ゲーム会社のとき 後輩の企画新人の企画会議にもでてたが なんども 

お姫様と王子様が助けに。。っていう陳腐でひねりの無いストーリーを もってきて 

みんなに つまんない!っていわれてた新人がいたのだが 


 まあ ひねくれた企画者だらけのあの会社で生きにくいだろうとはおもうが 

 それにしても 内容がありきたりすぎて中学生でもかけるだろ!って内容だったんだけど 


 その数年後 当時の同僚(ムシキングの企画者)から 「ふるかわく~ん 企画の野島君いたじゃない、あいついまファイナルファンタジー4だか5だかのシナリオ描いてたみたいだよ」 

 「ええええええええええ まだ あいつお姫様と王子様って言ってやがるのか!!」 

 「そうみたいだね~」 


 王道もあなどれない。。。誰でも思いつくってものは わりとみんな好きってことでもある 

 でもそれしかおもいつかないと自他ともに認めれるまで その物語を語るしかない 

 ばかにされても つまんないといわれても その物語を自分が面白いとおもったなら 

 語り続けられたら、その王道のありきたりも いつしかそいつのものになる場合もある


 ふわっとじゃだめよ ふわっとじゃ  

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